子ども頃から近くに『南極の石』があった。その場所は加須市福祉会館。記憶は曖昧で、入口にあったと思っていたが、妻はエレベーターの近くだったという。

隊員に応募してから、しばらくして思い出した。極地研勤務になったら、見に行こうと思っていた。福祉会館が取り壊され市民プラザになっていたのは知っていたので、南極の石が何処にあるか分からなくなっていた。でも直ぐにわかった。

7月の気温が体温を超える暑い最中、期待を胸に、利根川スーパー堤防上に立つ加須未来館へ向かった。

プラネタリウムや宇宙などの展示をメインにしている。そして、待望の南極の石といえば、階段下でトイレ入口にあり、しかも看板や観葉植物で隠されているという展示。

絶句。余りに悲しい。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
階段下に展示された「南極の石」

石は、23次隊によって、昭和基地周辺で採取されたもので、片麻岩とある。説明は松枝大治氏(当時、秋田大学)と本吉洋一氏(当時、北海道大学:現、国立極地研究所副所長)。採取者は、金子巌氏(ふじ乗務員)と小山文誉氏(越冬隊員)で、二人とも加須市出身のような書き方だ。小山さんの方は、同級生の叔父さんという事を伝え聞いていたが、詳しくは知らない。そして、松枝氏の姓は、松本氏として誤植のまま、30年以上市民の目に晒されて来たこともわかった。

南極の石「片麻岩」
南極の石「片麻岩」
説明書き
説明書き

とりあえずは、この不憫な南極の石を、もっと多くの目に触れられる様に、なんとかしなくては…と、密かに決意し、加須未来館を後にしたのでした。