昭和基地から様々なミッションを行うために,大陸への道を海氷上に作っている.その一つである「とっつき岬ルート」工作が難航していた.この日も,4名で出かける.フィールドアシスタント(FA)のM隊員,H越冬隊長(JARE50,52でFA),医療のN隊員と私.

先行部隊はFAと隊長.二人が「点」を確定しないと,後続部隊の我々が「線」を作れない.氷山地帯に至る所に走るクラックを調べながら彷徨っている.我々が通るだけであれば,すぐにルートが作れるのだが,このあと雪上車の道とするために,渡れる場所を探しているのだ.

この日の気温は昭和基地でも-15℃くらい.現場では大陸から吹き下ろす「カタバ風」が吹きすさぶ.待機の後続部隊には辛い.

氷山地帯は抜けられそうもなく.当初案のルートを試みるが,スノーモービルが通過した後,クラックが不安定となり,止む無く撤退判断.

大陸の入口となる「とっつき岬」を下から見上げ,無念の敗退.大陸は遠い.

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とっつき岬を目前にして,二人が確認しているクラックは,スノーモービル通過後,危険と判断されルート工作は撤退となる.